下痢

下痢でお困りの方へ

便秘下痢は、日常的に起こりやすい症状の一つです。脱水にならないよう安静にして過ごし、様子を見ていれば治るというケースもあります。しかし、下痢がなかなか治らない場合は、原因特定のためにも当院までご相談ください。
下痢以外の症状が特にない場合や、下痢と便秘を交互に繰り返している場合でしたら、しばらく様子を見ても問題ありません。しかし、下痢が長く続く、発熱や嘔吐、激しい腹痛を伴っている下痢や、血便や粘液が混じった便がでた、同じ料理を食べた人に下痢や嘔吐などの症状がみられ、かつ同タイミングで自分も下痢が起こっている場合は、早急に当院の消化器内科を受診してください。

下痢の種類

「1日の便中にある水分量が200ml以上(もしくは、1日の糞便の重さが200g以上)」の場合は、下痢に当てはまります。腸の運動が正常な場合、食事などで摂った食物は、食事から10時間経過した後にS状結腸へ到達します。
健康な状態でしたら、ここで消化された食物から水分が吸収され、適度な固さの便が作られます。しかし何らかの理由によって水分を吸収する働きがうまく機能しなくなると、水分の多い便が出てしまうようになります。
下痢になる原因は、下痢の種類によって異なります。

浸透圧性下痢

浸透圧(水分を引き付ける力)が高い食べ物を摂取し、腸で水分がうまく吸収されなくなることで起こる下痢です。
人工甘味料や牛乳の過剰摂取や、糖分の消化不良などが原因とされています。

分泌性下痢

腸管内での分泌液が増加することによって起こる下痢です。腸に侵入した細菌による毒素やホルモンの影響など、原因は多岐にわたります。
感染性胃腸炎や生理中に起こった下痢などは、これに該当します。

ぜん動運動性下痢

便が腸を通る時間が短いことで起こります。主な原因は、過敏性腸症候群やバセドウ病などの甲状腺疾患だとされています。

滲出性下痢

腸の炎症によって血液成分や細胞内の液体などが滲出したり、腸からの水分吸収が下がったりすることで起こる下痢です。
潰瘍性大腸炎やクローン病の発症、慢性膵炎や糖尿病の合併症、薬の副作用などが関与していると言われています。

考えられる疾患

下痢と関係している消化器疾患としては、過敏性腸症候群や感染性腸炎などが挙げられます。最近は、胃薬とくにランソプラゾール内服によって下痢が起こるmicroscopic colitisの方も増加しております。
大腸がんが悪化すると次第に腸の内部が狭くなります(狭窄)。この狭窄によって、下痢になることもあります。下痢が長期間続いている場合は、大腸がんが隠れている恐れもあります。

下痢の検査と治療

大腸カメラ下痢を訴えて医療機関へ受診した場合は、内服薬や生活習慣などの問診を行います。大腸カメラとレントゲンを受けていただくこともあります。これらの検査では、現在の腸の健康状態や形状などが確認できるため、下痢を引き起こす疾患の有無を調べることも可能です。検査の結果から、大腸に何らかの問題があると分かった場合は、その問題に合った治療方針を提案します。
特に異常が見られなかった方には薬物療法を受けていただき、いったん様子を伺います。
薬物療法では原因に合わせて、腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑制させる薬、腸への刺激を抑える薬、便に含まれている水分を吸い取って便を固くする薬、ビフィズス菌などの整腸薬などを処方します。
ただし、細菌やウイルスの感染などによって発症している場合は、ウイルスを外へ追い出す必要があるため、下痢止め薬の処方は行いません。また嘔吐などの症状もみられ、かつ自力での水分補給が難しい場合は、脱水を防ぐために点滴を投与し、補液(体内の水分を維持させること)を行うこともあります。

下痢の症状が重い場合はご相談ください

診察室下痢でお悩みの方は、一人で抱え込まずに当院までご相談ください。
下痢が長引くと体内の水分バランスが崩れ、脱水を引き起こすリスクが高くなります。また、「お腹を下したらどうしよう」と不安になって電車・バスに乗れない、外出できないとさらに悩んでしまい、QOL(生活の質)が大きく下がってしまう方も少なくありません。
下痢が1週間以上も続いてなかなか治らない方はもちろん、下痢によって日常生活に影響を及ぼしている方も、1度当院の消化器内科を受診してください。当院は消化器病専門医が丁寧に診察・治療を行います。

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