病気の早期発見・早期治療のために
健康診断では、全身の状態を把握するために基本的な検査が行われています。自覚症状に乏しい疾患の早期発見やリスクを調べることができるため、今後の健康を見直すのに有効です。
高血圧や糖尿病といった、生活習慣病のリスクが高いようでしたら、食生活や運動の習慣などを見直すきっかけ作りにもなります。日ごろの不摂生を見直すことで、あらゆる疾患のリスクを下げることに繋がるのです。
ほとんどの企業や学校、自治体などでは健康診断を行っています。毎年欠かさず受けている方もいますが、「忙しいから」「健康診断を受けるタイミングがない」などの理由で、何年も受けていない方も少なくありません。中には「症状がないし健康だ」と思い込んでいる方もいらっしゃいます。
健康診断は体調の変化を自覚しやすくなるため、定期的に受けることをお勧めいたします。
当院では、「特定健診」をはじめ、川崎市の多くの検診を実施する施設に指定されております。Webやお電話で予約を受けつけております。
川崎市の健診(検診)
特定健診
特定健診とは
生活習慣病の早期発見と、その前段階であるメタボリックシンドロームに着目した健診を行います。年齢により名称が川崎市こくほの健診、後期高齢者健康診査と名称が異なります。
35歳から74歳の国保の方、後期高齢者の方が対象となります。
☆費用:無料
健診項目
- 問診(服薬歴、喫煙歴など)
- 身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
- 理学的所見(身体診察)
- 血圧測定
- 尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)
- 血液検査
※脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
血糖検査(ヘモグロビンA1c)
痛風検査(尿酸)
腎機能検査(血清クレアチニン)
実施基準に該当する方のうち医師が必要と認める方に対して、次の項目から医師が選択したものを実施する場合があります(希望制ではありません)。
- 貧血検査(赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)
- 心電図検査
- 眼底検査
健診結果から生活習慣の改善が必要だと判断された方につきましては、医師と保健師・管理栄養士等による保健指導(特定保健指導)を受けていただきます。
オプション
PSA検査
国民健康保険PSA検査
前立腺がんの早期発見に有用とされる腫瘍マーカーを測定する検査です。
対象者:50歳~74歳の男性
川崎市こくほの健診(特定健康診査)受診券をお持ちの方のうち、受診日時点で川崎市国民健康保険の資格を有する方に限ります。
申込方法: 特定健診の申込みの際に、「PSA検査も希望」とお伝えください。特定健診受診日に当院にてPSA検査申込書に必要事項を記入して提出してください。特定健診とPSA検査を別々の医療機関で受けることはできません。
☆費用:自己負担額400円
肝炎ウイルス健診(B・C型)
対象者:平成20年度以降川崎市で実施した肝炎ウイルス検査を受けたことがない方
☆費用:無料
一般健康診断
定期健康診断
年に1度受ける健康診断です。現在の健康状態をチェックし、病気が隠れていないかを調べるために行われます。労働安全衛生法に基づいて、現在の労働環境に安全や衛生に関する問題がないかを調べることもできます。
血液検査の結果、書類の作成におおむね1周間程度の時間がかかります。書類提出に期限がある方は余裕をもって受診してください。
雇用時健康診断
雇用時健康診断とは、新しく入社する方に、健康上の問題がないかを調べていく健診です。新たに労働者を雇い入れる時、事業者は労働者に健康診断を受けさせなければなりません。
書類作成に1周間程度のお時間をいただいております。ご希望の方には血液検査などの結果のご説明と一緒に、生活習慣のアドバイスなども行っております。
費用と健診項目
事業者は、常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。
☆検査項目
- 既往歴、業務歴の調査
- 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
- 胸部X線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量、赤血球数)
- 肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
- 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
☆費用:11,000円(税込み)(診察・文書料金)
会社から指定されている書類、項目等あれば受診の際にお持ちください。
企業健診
雇用時の健康診断から定期的なものまで、企業様の希望に合わせた項目に対応しております。
費用と検査項目
事業者は、年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記の項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。
☆検査項目:雇用時健診と同様
☆費用:11,000円(税込み)(診察・文書料金)
健診項目ごとの料金
雇用時健診、定期健診の健診項目は企業から指定されている場合があります。レントゲン、心電図、血液検査などの有無によって料金が違います。項目ごとの料金は以下の通りです。
健診項目 | 費用(税込み) |
---|---|
問診のみ | 約3,000円 |
問診・聴力・血圧・検尿 | 約3,000円 |
問診・聴力・血圧・検尿・レントゲン | 約5,000円 |
問診・聴力・血圧・検尿・レントゲン・心電図 | 約7,500円 |
問診・聴力・血圧・検尿・レントゲン・血液検査 | 約9,000円 |
問診・聴力・血圧・検尿・レントゲン・心電図・血液検査 | 約11,000円 |
B型肝炎・C型肝炎 | 約4,000円 |
自費健診
日本で検査を行う時、その検査が保険診療の扱いになるのは、「何らかの病気の症状がみられる時」のみです。検査項目の数は医師が決めることなので、患者様の希望で調整することは不可能とされています。
ただし無症状の時に、健康診断を目的で胃カメラなどの検査を受ける場合は患者様ご自身で検査項目を調整することが可能です。その場合は自費診療の扱いとなります。
なお健康診断を受けたことで、何らかの疾患が見つかった場合、治療費は保険診療の対象となります。
川崎市がん検診
川崎市国民保険の方は各種がん検診をお受けになれます(70歳以上は無料)。
当院は内視鏡検査などのがん検診にも積極的に取り組んでおります。
胃がん検診(内視鏡)
当院では内視鏡検診のみを行っております。
対象者:50歳以上の方。
受診間隔:2年度に1回
当院では、保険診療だけでなく、胃がん検診の方も希望の方には鎮静剤を使用して苦しくなく受けられるように配慮しております。また、経鼻、経口どちらでもうけることができます。
☆費用:3,000円、70歳以上無料
大腸がん検診(年1回)
対象者:40歳以上
内容:問診、免疫便潜血検査(2日法)
検査キットはいつでもお渡しできます。予約不要です。
☆費用:700円、70歳以上無料
肺がん検診(年1回)
対象者:40歳以上
内容:問診、胸部レントゲン2方向
☆費用:900円、70歳以上無料
健診の流れ
1事前予約
電話あるいはwebで予約をおとりください。
2健診前日
23時以降は食事をしないでください(10時間の絶食が望ましいとされています)。
3健診日
朝食事をしないでください。ふだんの薬は服用してください。朝の糖尿病の治療薬(インスリン、血糖降下薬)は中止してください。
受診券・診察券・健康保険証(各種医療証)を必ずお持ちください。
4結果説明(約1週間後)
検査を受けた日に、検査結果を説明する日の予約をお取りします。
過去の健康診断もしくは、血液検査の結果がございましたらお持ちください。