医学部での学生時代

医学部に入学した学生の多くは、将来的に医師になることを前提として学び始めます。
1年次は数学や統計など、一般的な大学と共通する基礎科目を学び、
2〜3年次で基礎医学、4〜5年次になると臨床医学を学びながら、
実際に病院での臨床実習を行います。
学生の立場では実際に処置を行うことはありませんが、
医療現場を見て、体験することで理解を深めていきます。
私はもともとお腹の調子が悪くなることが多く、
自分と同じように腹部の症状で悩む方の役に立てる仕事がしたいと考え、
早い段階から消化器科に進むことを考えていました。
消化器科には、大きく分けて消化器外科と消化器内科があります。
外科手術を行うのが消化器外科で、内視鏡検査や内科的治療を行うのが消化器内科です。
当時は「外科はかっこいい」という漠然としたイメージもあり、
消化器外科に強い興味を持っていました。
大学病院という環境もあると思いますが、
外科の先生方は長時間の手術に加え、朝早くから夜遅くまで
働いておられ、その厳しさを間近で感じていました。
大学の消化器外科は非常に厳しい環境で、
学生が直接叱責されることは少なかったものの、
研修医の先生が理不尽とも感じられる形で叱られている場面を見ることがあり、
正直なところ、外科の世界で長く働いていくことに躊躇を感じるようになりました。
研修医時代

医師になってから最初の2年間は「初期研修」と呼ばれ、
さまざまな診療科を回りながら研修を行います。
私は、出身大学である和歌山県立医科大学で臨床研修を行うことを選びました。
救急科、麻酔科、精神科などの必修科目に加え、
内科や外科など幅広い診療科で研修を行い、
基本的な知識や技術を身につけるとともに、
将来どの診療科に進むかを決める非常に重要な期間です。
この時期は消化器内科と消化器外科のどちらに進むか
迷っていましたが、まずは消化器内科を早めに研修することにしました。
消化器内科は、食道・胃・大腸などの消化管だけでなく、
肝臓、胆のう、すい臓など幅広い分野を扱います。
その中でも、検査だけでなく、早期のがんであれば
体への負担が少ない治療まで行える内視鏡に強く魅力を感じ、
消化器内科を専攻することを決めました。
腹部症状で悩む患者さんの診療や、内視鏡検査・治療を通して、
多くの方から感謝の言葉をいただく機会があり、消化器内科医を選んで本当によかったと感じています。