ブログ

「最近お腹が張る…」腹部膨満感の原因から自分でできる対策、治療、受診の目安まで

local_offer内視鏡ブログ

 

 

お腹の張り(腹部膨満感)は、多くの方が経験する身近な症状ですが、原因は様々です。


放置せずに原因を知り、適切な対処をすることが大切です。


この記事では、消化器病専門医がお腹の張りの原因、対策、受診の目安をわかりやすく解説します。


「もしかして私の症状も?」と感じたら、まずは知ることから始めましょう。

 

お腹の張りについてもっと知りましょう。

 

院長 中谷行宏

私は内視鏡専門医として月200件以上の胃カメラ、大腸カメラ検査を行っています。

消化器病専門医として、おなかの症状の方の診療を行っております。

 

なぜお腹が張るの?腹部膨満感の原因とは

 

 


お腹の張り、つまり腹部膨満感は、

お腹が苦しくなったり、重く感じたりする状態を指します。

 

その原因は一つではなく、大きく分けて

消化管にガスが溜まることと、胃腸の機能低下が考えられます。

 

ガスが溜まる原因としては、早食いや食べ過ぎ、炭酸飲料の摂取、便秘などが挙げられます。

また、無意識に空気を飲み込んでしまう呑気症も、

お腹の張りの原因となることがあります。

ストレスや不規則な生活も、胃腸の働きを低下させ、ガスが溜まりやすくすることがあります。

 

一方で、便秘も慢性的なお腹の張りの大きな原因の一つです。

便が腸内に長く留まることでガスが発生し、膨満感を引き起こすことがあります。


その他、腹水といってお腹に液体が溜まることや、妊娠によってもお腹が張ることがあります。

 

 

お腹の張りの裏に隠れている可能性のある病気

 

 


お腹の張りが続く場合や、他の症状を伴う場合には、

何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。

 

例えば、過敏性腸症候群は、ストレスなどが原因で腸の働きが不安定になり、

腹痛、便秘、下痢に加えてお腹の張りやガスが増えることがあります。


逆流性食道炎では、胸焼けなどの症状の他に、お腹の張りを感じることもあります。


また、急性胃腸炎でも、腹痛や下痢などの症状とともにお腹が張ることがあります。


機能性ディスペプシアは、胃もたれや早期満腹感などとともに、

お腹の張りを慢性的に引き起こすことがあります。

 

注意が必要な病気としては、大腸がん胃がんなどの腹部の腫瘍も、

進行するとお腹の張りを感じることがあります。

 

腸閉塞も、激しい腹痛とともにお腹がパンパンに張る症状が現れることがあります。

女性の場合は、子宮筋腫卵巣腫瘍によってもお腹が張ることがあります。

 

「登戸なかたに消化器・糖尿病内科」では、胃カメラ、大腸カメラ検査などにより、

これらの病気の早期発見・診断に努めています。

 

 

腹部膨満感に対する薬

 

 

 

 

便秘薬

 


腹部膨満と便秘の症状がある方に関しては、

酸化マグネシウムなどの便通をよくする薬を処方します。

便通がよくなって、腹部膨満感が改善すれば便秘が原因であったと判断できます。

 

 

消化管運動改善薬

 


消化管蠕動運動改善薬とされているものには、

モサプリドクエン酸塩(ガスモチン)アコチアミド塩酸塩水和物(アコファイド)などがあります。

 

どちらも胃の動きを改善し、内容物の排出を促進することで、

上腹部膨満感を改善させる効果が期待されます。

 

モサプリドクエン酸塩は胃だけでなく、

大腸の消化管運動も改善し、下腹部のはりをよくする作用があります。

 

 

漢方薬

 


漢方薬にもおなかのはりを改善される薬があります。

大建中湯はおなかが冷えて痛み、腹部膨満感がある方に使用します。

大建中湯は便回数や便性状を変えることなく

腹部膨満症状を改善させる効果が認められ、QOLの改善に有用です。


医療用の漢方薬のなかで最も使用されている漢方薬であり、

長年使用され、安全性も認められています。

 

 

自分でできるお腹の張り対策と受診の目安

 

 


多くのお腹の張りは、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。


まずは食生活の改善が大切です。

早食いを避け、よく噛んでゆっくり食べるように心がけましょう。


ガスを発生しやすい豆類やイモ類、炭酸飲料の摂りすぎにも注意が必要です。

腸内環境を整えるために、ヨーグルトや発酵食品、食物繊維を意識して摂ることも大切です。


適度な運動も、腸の動きを活発にし、ガスの排出を促す効果があります。

軽いウォーキングやストレッチなどを日常に取り入れてみましょう。


またお腹を温めたり、優しくマッサージするのも、ガスの排出を助けることがあります。


ストレスも胃腸の働きに影響するため、ストレスを溜め込まないように、

趣味やリラックスできる時間を持つことも重要です。


市販薬の整腸剤や消化酵素薬を試してみるのも一つの方法ですが、

症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

 

  • 激しい腹痛を伴う場合
  • 吐き気や嘔吐がある場合
  •  血便がある場合
  •  原因不明の体重減少がある場合
  • お腹の張りが続く、または悪化している場合
  • 息苦しさを感じる場合
  • 発熱がある場合
  • 便秘や下痢が続く、または繰り返す場合

 

上記のような症状がある場合は、自己判断せずに、

お早めに「登戸なかたに消化器・糖尿病内科」にご相談ください。

 

 

お腹の張りが気になるあなたへ

 

 


お腹の張り(腹部膨満感)は、生活習慣の見直しで改善する可能性があります。

しかし、その裏には様々な病気が潜んでいることもあります。

ご自身の症状を振り返り、「もしかして…」と感じることがあれば、

まずは専門医に相談することが大切です。


「登戸なかたに消化器・糖尿病内科」では、患者様一人ひとりの症状に寄り添い、

丁寧な診察と必要な検査を行い、適切な治療をご提案いたします。

気になるお腹の張りでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

TOPへ